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活用事例


医療法人財団倉田会

病院風土・経営体質の改革を目指し資格取得にさまざまなバックアップ

大杉隆司   平山智彦
大杉隆司(写真左)
(法人本部部長)

平山智彦(写真右)
(臨床工学技士)
(「医療経営士」情報誌:「医療経営の理論と実践No.6」掲載)

優秀な人材が活躍できる仕組みづくりの一環として資格取得を応援

 医療法人財団倉田会は来年2013年で開設90年を迎えます。90年の歴史や伝統があれば、その中で培われた文化やシステムがあるもの。しかし、当法人にはいい人材が集まるような風土や事業を拡大していくシステムなどが欠けていました。また、現在275名の職員が働いていますが、以前と比べて組織が大きくなったことで、管理ができなくなっているという問題がありました。そのような状況の中で理事長から声をかけてもらい、2011年3月に入職しました。

 私は20年以上小売業で働いていた経験があります。一般企業に比べると、医療機関は保険診療による収入や地域医療計画に基づく病床規制などを理由に競争意識に乏しい世界だと思います。病院の経営者の場合、本業は医者であり、一般に経営を専門的に学ぶこともなく、経験だけで運営していることが多いのではないでしょうか。しかし少子高齢化や経済のグローバル化と医療マーケットの縮小・選別化が進み患者数が減っていったら、現状のままでは勝ち残っていくのは難しいでしょう。今から手を打っておかなければ、患者から選ばれなくなり生き残っていけません。今までやっていなかった新規事業を開拓したり、先手を打って積極的に事業の拡大を行ったり、マネジメント力を上げるための仕組みを取り入れたりと、経営体質を強化する必要があります。
 そのためには、まず人材の育成と確保が欠かせません。そこで、優秀な人材が活躍できるような仕組みづくりの1つの方策として、医療経営士の資格取得をバックアップすることにしたのです。

モチベーションを上げるためにも資格取得者をバックアップできる仕組みを

 当然、合格者は法人全体として評価し、優先的にポストに就けていくつもりですし、合格した翌月から手当も支給しています。職員一人ひとりに医療経営に関する知識を得るための情報などを周知し、取り組むことによってどんな手当がもらえるのか、どのように職位に就けるのかなどをすべてオープンにしています。また、テキストや参考書を自由に使えることにすることで、職員の受験に対するモチベーションを上げるようにしています。当法人では2011年10月に医療経営士3級資格認定試験を初めて受験し、2人が合格しました。2級合格を目指して動き出している人もいます。3級に合格した臨床工学技士の平山智彦さんは、さっそく学んで取り入れた知識を活用して透析機械と関連する薬品のコスト管理などに取り組んでくれています。  

 医療法人は医療の専門職種の集まりであって、経営の専門家ではありません。したがって経営を専門とする人材が病院内にいないと、経営上のハンドルの切り間違いが起きてしまう可能性が大きいでしょう。何とかしなければと思っていたところに、やっと医療経営士という 資格を持った人材が出てきてくれた、という感じです。医療経営士の資格を取得することは、職員および組織の成長にもつながります。私としては、これからは医療経営士の資格を持った人材の発言を取り上げられるような仕組みもつくっていかなければならないと考えています。


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